2002版のメモ-------------------------------------------------
塩害
構造物の所要の性能が、塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食によって損なわれてはならない。
塩化物イオン侵入の照査においては、ひび割れ部からの侵入が大きく寄与するので、ひび割れ照査を行わなければならない。
塩化物イオンの侵入状況の予測は、フィックの拡散方程式を基に推定する。
塩化物イオンによる鋼材腐食発生限界濃度は、総量が0.3kg/m3以下とする。塩化物イオンが自由に移動できないような緻密なコンクリートの場合は、許容値を0.6kg/m3まで増加させても良い。
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参考
普通ポルトランドセメントの塩化物イオンの許容値
平成15年11月20日付けで、JIS R5210(ポルトランドセメント)を改正。
塩化物イオンの許容値=0.02%以下が0.035%以下に。
参照URL
普通ポルトランドセメントのJISの改正について
コンクリートのアルカリにより鉄筋表面は不働態皮膜(被膜)(20〜60オングストロームの酸化膜)に覆われる。
不働態皮膜がコンクリートに浸入した塩化物イオンによって破壊される。
鉄がイオン化するアノード反応(酸化反応)と酸素が還元するカソード反応(還元反応)で腐食電池が形成される。
この電気化学的反応により水酸化第二鉄=Fe(OH)2が生じる。
錆は2.5倍程に体積膨張し、膨張圧によってコンクリートにひび割れ・はく離を生じる。
アノード反応:2Fe→2Fe2++4e-
カソード反応:O2+2H2O+4e-
→4OH-
全反応:2Fe+O2+2H2O
→2Fe(OH)2