2002版のメモ-------------------------------------------------

施工
 コンクリート構造物の施工は、施工計画に従う。これが不合理になった場合、施工計画を変更、照査し、改めて承認を受けた後、施工しなければならない。

 現場には技術士(コンクリート)、コンクリート主任技士、コンクリート技士、あるいはこれと同等以上の技術力を有する者を置き、施工を適切に監理させる。

準備
 コンクリート打ち込み前に鉄筋、型枠、その他が施工計画で定めたとおりか確認する。打ち込み作業やコンクリートの圧力によって、鉄筋、型枠が移動するおそれのないことを確認する。

 運搬装置、設備及び型枠の中に雑物が混入していないこと。

 吸水するおそれのあるところは、予め湿らせておく。コンクリートの水分が型枠に吸われると脱枠した後に良い仕上がり面を得られない。

現場内での運搬、打ち込み、締固め
 練り混ぜから打ち込み終了までの時間は、外気温が25℃を超えるときは1.5時間以内を、25℃以下のときで2時間以内を標準とする。
 打ち込みまでの間は、日光、風雨から保護する。打ち込みまでの時間が長くなる場合や外気温が25℃を超えるときは、遅延型AE剤、流動化剤等の使用を検討すると共に、コールドジョイントを避けるため片押し打設等の打ち込み手順も検討する。

 コンクリートは練り混ぜ終わった状態に出来るだけ近い状態で運搬し、打ち込む。

コンクリートライブラリ126「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針(案)」第7章によれば、
施工計画段階において、高密度配筋などによりジャンカの発生が懸念される場合や、
締固め作業の省略によりコンクリート施工の省力化を図ることが品質向上、工期短縮若しくは施工環境の改善につながると判断された場合、
高流動コンクリートを適用するとよい。
また、以下のような施工条件を回避できず十分に締固めを行えないと判断された場合なども、高流動コンクリートを適用することを標準とする。
・コンクリートの落下高を1.5m以下とすることが物理的に困難な場合。
・コンクリートを充填するために型枠内で横移動させる必要がある場合。
・内部バイブレータが挿入可能な位置だけでは、締固めができない箇所が生じ充填不良の発生が予測される場合。
・目視により、内部バイブレータの挿入位置が確認できない場合。
・型枠バイブレータを併用しても充填不良の発生が予測される場合。

同書解説による施工中に想定される障害例として以下が示されている。
これらを回避するために、十分施工計画を検討しなければならない。また、施工計画に従って作業しなければならない。
運搬:早すぎるスランプの低下、交通渋滞、故障、予想以上の待機
打込み:ポンプ配管の閉塞、材料分離、コールドジョイント、型枠の変形
締固め:不十分な締固め、浮き水の巻き込み、骨材沈降
仕上げ:型枠表面のあばた、沈下ひび割れ、
打継ぎ:打継ぎ不良、打継ぎからの漏水
養生:強度不足