2002版のメモ-------------------------------------------------
鉄筋加工
鉄筋は設計図に示された形状、寸法に一致するように、材質を害さない方法で加工する。
曲げ加工した鉄筋の曲げ戻しは一般に行わないが、曲げ半径を大きくする、900〜1,000℃に加熱して行うなどの方法がある。
鉄筋は常温加工を原則とする。
鉄筋は原則として溶接しない。やむを得ず溶接した場所を曲げ加工する場合は10D以上離す。Dは鉄筋の直径。
鉄筋の組み立て
鉄筋は組み立てる前に、付着した浮き錆、泥、油、ペンキ、モルタル等を除去する。
鉄筋は正しい位置に配置し、コンクリート打ち込み時に動かないように堅固に組み立てる。
鉄筋の交点の要所は、0.8mmの焼き鈍し鉄線またはクリップで緊結する。
かぶりや鉄筋相互のあきを正確に確保するため、必要に応じて組立図を作って配筋精度を確認する。
スペーサ
鉄筋かぶりを確保するために使用するスペーサは、最小かぶりを確保し、鉄筋位置を許容誤差以内に納めるものとする。
スペーサはモルタル製、コンクリート製を原則とする。その品質は本体コンクリートと同等以上とする。
鉄筋スペーサは錆びるので、腐食環境の厳しい地域では使用しない。
プラスチック製スペーサはコンクリートとの熱膨張率の相違、付着力不足等がある。
ステンレス鋼製は異種金属間の接触腐食の問題があるので注意する。
スペーサの数は、梁やスラブで4個/m2、壁や柱で2〜4/m2とし、千鳥で配置するのが一般的である。スペーサの選定、配置については、社団法人日本土木工業会「鉄筋工事用スペーサ設計施工ガイドライン」を参照する。
鉄筋を組み立ててから長時間経ったときは、コンクリートを打ち込む前に再び清掃するか、予めシート養生する。
鉄筋の定着長
引張鉄筋は、引張応力を受けないコンクリートに定着するのを原則とする。
鉄筋の定着長は鉄筋の種類や配置、コンクリート強度等によって定められた基本定着長を、その使用状態によって修正して定めるが、基本定着長以上でなければならない。そして引張鉄筋の基本定着長は20D以上でなければならない。
鉄筋の継手
鉄筋の継手は鉄筋の種類、直径、応力状態、継手位置等に応じて選定しなければならない。
鉄筋の継手位置は、出来るだけ応力の大きい断面を避ける。
継手は同一断面に集めないことを原則とする。そのために継手位置を軸方向に鉄筋直径の25倍か断面高さのどちらか大きい方と継手長を加えた分ずらすのを標準とする。
継手部と隣接する鉄筋とのあきは粗骨材の最大寸法以上とし、継手施工機器が挿入できるものとする。
重ね継手の重ね合わせ長さは、鉄筋直径の20倍以上とし、配置する鉄筋量や継手の割合等から適切に修正して定める。
水中コンクリート構造物の重ね合わせ長さは原則40Dとする。
重ね継手部の帯鉄筋、中間帯鉄筋およびフープ鉄筋の間隔は100mm以下とする。
設計図に示されていない鉄筋の継手を設けるときは、継手の位置、方法は「コンクリート標準示方書
構造性能照査編」に従う。
鉄筋の重ね継手は、所定の重ね合わせ長さを、直径0.8mm以上の焼き鈍し鉄線で数箇所以上緊結することを原則とする。コンクリートと鉄筋の付着強度が低下しないように出来るだけ短く緊結する。
圧着継手、ねじふし鉄筋継手、ねじ加工継手、溶融金属充填継手、モルタル継手、自動ガス圧接継手、エンクローズ継手、アモルファス継手は、各継手指針の規定に従う。また、ガス圧接継手は社団法人日本圧接協会「鉄筋のガス圧接工事標準仕様書」の規定に従う。