コールドジョイントの防止策に関して
土木学会コンクリートライブラリー
「コンクリート構造物におけるコールドジョイント問題と対策」からのメモ
1)防止策
・凝結(始発)時間の延長
コンクリートの凝結性状は一般的にプロクター貫入抵抗値で評価されている。
凝結時間は遅延型混和剤、遅延剤、超遅延剤の使用で遅らせることが可能。
添加率の調整で遅延時間をコントロールできる場合が多いが、側圧増加、仕上げの遅れ、脱枠の遅れ等がある。
・打重ね時間間隔の厳守
コールドジョイントが発生する時間間隔の上限は、配合条件、締め固め、養生条件等により相当の開きがある。
コンクリートのコールドジョイント問題小委員会(以下、小委員会)では、下層コンクリートの凝結上限をプロクター貫入値0.01〜1.0N/mm2の範囲と考えている。
打重ね許容時間の設定は多少安全側が望ましい。小委員会によるアンケート調査では8割が1時間以内を設定している。コンクリートの凝結性状から判断する場合、「振動棒が容易にコンクリートに挿入できる範囲」との回答が多い。
・発生しそうな場合の対策
富配合のモルタルあるいはセメントペーストを敷いて下層コンクリートまで突き固めを行った後に上層を打ち込むと、一体性の回復が期待できるとの報告があり、小委員会の実験結果でも類似の結果を得ている。しかし、条件と結果の関係が必ずしも明確でなく、今後の研究を要する。