変状の種類と原因 |
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名称 |
定義 |
発生要因 |
防止対策 |
ジャンカ |
打設されたコンクリートの一部がセメントペースト、モルタルの廻りが悪く粗骨材が多く集まって出来た空隙の多い不良部分 |
打設するときの材料の分離、締め固め不足、型枠下端からのセメントペーストの漏れなどにより生じる。 |
ワーカビリティーが良好な配(調)合とし、材料が分離しないように打設し、バイブレーターで十分締め固めると共に叩きなどで入念に充填する。 |
コールドジョイント |
コンクリートの打ち重ね時間を過ぎて打設した場合、コンクリートが一体化されず、打ち重ね部分に不連続な面が生じること。 |
コンクリートの硬化程度(凝結程度)が最大の発生要因。 |
コンクリートの輸送・運搬時間をJIS A5308や土木学会コンクリート標準示方書、建築学会JASS 5の規定に合致させる。また、打設方法や順序、人数配置等を練って綿密な打設計画を立てる。 |
内部欠陥 |
コンクリート内部に生じたジャンカや空洞。 |
施工不良が主な原因。 |
十分な施工管理を行う。 |
砂すじ |
コンクリート表面に細骨材が縞状に露出したもの。型枠せき板に接するコンクリート表面に、コンクリート中の水分が分離して流れ出す場合に生じる。 |
ブリージングの多いコンクリートの浮き水を取り除かないで打ち足した場合や、軟練りコンクリートを過度に締め固めた場合に発生する。 |
ブリージングが少なくワーカビリティーの良好なコンクリートを使用する。また、打設速度の管理を適切に行う。 |
表面気泡 |
型枠せき板に接するコンクリート表面に打ち込み時に巻き込んだ空気、あるいはエントラップドエアが無くならずに残って露出し、硬化したもの。 |
型枠の傾斜、コンクリートの凝結時間、締め固めが原因。 |
打ち込み速度の管理、締め固め管理を適切に行う。傾斜型枠に予め空気抜き孔等を設置する方法がある。 |
ひび割れ・浮き・剥落 |
耐久性上有害となる種別 |
別表ひび割れ発生の原因を参照 |
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1)鉄筋腐食先行型 |
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2)ひび割れ先行型 |
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3)劣化ひび割れ |
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錆汁 |
コンクリート表面を汚す鉄錆、腐食生成物。 |
コンクリート近傍の鋼材が腐食し、その錆が表面に流れたもの。 |
構造物の信頼性を損なうことは少ない。 |
色は別表鉄錆色を参照 |
コンクリート中の鉄筋等が腐食して生じるもの。 |
エフロレッセンス |
白華、白華現象とも称される。 |
コンクリート中の可溶成分やコンクリート周辺の可溶成分が水分の移動と共にコンクリートの表面に移動し、水分の蒸発や空気中の炭酸ガス等の吸収によって、溶解していた成分が析出するため。 |
構造物の信頼性を損なうことは少ないが、水の移動と関連が深いため、他の変状の有無を確認する必要がある。 |
汚れ(変色) |
コンクリート表面に付着した藻類やカビ等の微生物が死滅し炭化して黒く汚れたもの。 |
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セメント水和物の変質による変色で、多くの場合、灰色が褐色や黄土色に変色。 |
中性化、塩害、アルカリシリカ反応、火災により変色。 |
火災の場合の変色は、 |
〜300℃:煤の付着 |
300〜600℃:桃色 |
600〜950℃:灰白色 |
950〜1200℃:淡黄色 |
1200℃以上:溶融 |
すり減り |
コンクリート表面のモルタルはく離、骨材のすり減り、骨材はく離。 |
1)車輌の走行によるすり減り |
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2)人や物の移動によるすり減り |
3)砂礫や水理キャビテーションによるすり減り |
4)氷、砂による海氷域構造物のすり減り |
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