主な損傷の補修・補強

(A)腐食

 鋼材の表面に水分が付着すると局部電池が生じ、アノード側では鉄がイオンとして溶出して酸化鉄が生じる。
Fe→Fe2+ 2e- この電気化学反応が腐食である。

 鋼構造物の置かれた環境により、塩類や硫化物質が加わると腐食は促進される。

 補修・補強にあたっては、現場溶接は局部応力が発生しやすいので、一般的にはボルト接合とする。

・ケレンで錆と塩等の有害物質を除去する。
・断面欠損部分は切断除去する。

・補強板を高力ボルトで添接補強する。母材との隙間はエポキシ樹脂等で充填する。

・腐食対策として再塗装を行う。


(B)亀裂

 応力が繰り返し作用することにより疲労亀裂が発生する。疲労発生は応力範囲(max-min)と、繰り返し数に相関する。

 
補修・補強にあたっては、
非破壊検査を行い正確に亀裂を把握する。

・軽微な亀裂はグラインダーやガウジングで除去する。

・亀裂先端にストップホールを施し、鋼板を高力ボルトで接合する。

・溶接止端を滑らかにして応力集中を低減する。

・構造ディテール改良により応力伝達をスムーズにする。
・添接板やリブで剛性を高める。

・全体構造を改良する。


 

(C)変位・変形

 車の衝突や地震、地盤沈下等の外的作用による幾何的な変状である。

衝突による場合は、局部的な角折れに変形。

地震による場合は、座屈変形と伸び変形。

支点沈下の場合は、鋼板の座屈変形や伸び変形。

 
補修・補強にあたっては緊急性を把握する。また、矯正後に精度を確認する。

・加熱矯正により変形を取る。

・ジャッキ、ハンマー打撃による修正をする。

・補強材を高力ボルトで取り付ける。
・部材を交換する。