点検・診断について

1.はじめに

 構造物の要求性能を供用期間中にわたって確保するには、使用材料の特性、構造の特徴、設計・施工に対する造詣等、多くの知見を持って点検・診断をおこなう維持管理が必要不可欠である。

 構造物の点検とは、観察や検査で構造物の現状を調べ、その結果を記録に残すことである。
診断とは、点検で評価された状態や性能を判断し必要な対策を立案、実施、チェックすることである。

2.机上調査

 点検対象物の概要を事前に把握するのが机上調査であり、以下を調べる。
・構造物の設計・施工年代、所在地等の一般事項
・構造一般及び詳細
・使用材料
・環境条件
・施工方法
・損傷履歴
・補修・補強履歴
・採用された設計基準


3.
現地踏査

 点検計画策定の資料収集を目的におこなうのが現地踏査である。
机上検討で不足している現地情報や調査用足場の必要性等を調べる。また、遠望目視により損傷状況を確認する。

4.点検

 机上調査や現地踏査で収集した資料を基に、点検の目的、内容、時期・工期、手法を検討して点検計画を立案する。

計画に基づいて点検を実施し、目視観測記録や各種検査の記録を整理する。

点検結果を基に構造物の損傷や変状の原因を究明し、性能の低下や変化を予測するのが点検の業務である。


5.
診断

 構造物が要求性能を満足しているか否かの判断をするのが診断である。

点検によって明らかになった事実を基に定量的、客観的規準に従って耐荷性能、耐震性能、耐久性能、使用性等の判定をおこない総合判断するのが診断である。

 点検も診断も構造物の状態と今後を正しく判断し、補修・補強が無駄にならない最適な手法で実施する必要がある。