溶接部の残留応力について

 溶接部に生じる残留応力の発生機構は以下である。

1)溶接部付近が局部的に高温になり、熱膨張により主として溶接線方向に伸びる。
2)しかし、周辺の低温部に拘束されるため、高温部には溶接線方向に圧縮応力が生じる。

3)高温の金属は降伏応力が低下するため、この圧縮応力により溶接部が圧縮降伏して塑性ひずみが生じる。

4)溶接終了後、温度が下がると部材全体が元に戻ろうとする。
5)圧縮降伏した溶接部は周りより短くなろうとして拘束され、引張応力を受ける。


 このようにして溶接部には残留応力が生じる。溶接部の残留応力は自己平衡しており、部材断面全体としては正負相殺する。
作用する平均応力が圧縮の場合でも引張応力が溶接部に作用することになり、疲労破壊につながる場合がある。